What shall be done about Japan after victory?
American Historical Association.
[Madison, Wis. : USAFI, 1945]
このパンフレットは日本の敗戦が明らかとなっていた1945年6月にアメリカ軍を日本占領に向けて教育するために出版されたものです。「各パンフレットの目的はただ一つ。問題をすべての観点から討論するためのたたき台として、事実関係の情報とバランスの取れた議論を提供することです。」と書かれていますが、日本の観点からは事実誤認、歪曲、曲解、偏見、こじつけなどが少なくないと思われます。それらが当時の米国内のさまざまの勢力の状況認識を反映したものだったのか、公式見解だったのか、米軍向けのプロパガンダだったのかはわかりませんが、全体を通して、日本人あるいは日本の軍部がアジアの平和を乱した諸悪の根源であり、彼らをたたきのめして二度と刃向かえないようにするのが人類のための正義であるという論調が貫かれています。それは、敗戦後に占領軍が実施した War Guilt Information
Program (日本はなぜ侵略史観・自虐史観を押し付けられたのか を参照)や1000人を超える軍と政府のリーダーたちを戦犯として処刑した極東軍事裁判でも貫かれていたナラティブであり、残念ながら今でも世界の大部分で「正史」として受け入れられているものと思われます。
日本の観点からの正しい歴史を世界と共有するには、このパンフレットをたたき台にした小冊子を英語で出版するのも一案かもしれません。
日本の観点からの正しい歴史を世界と共有するには、このパンフレットをたたき台にした小冊子を英語で出版するのも一案かもしれません。
ちなみに、このパンフレットを作成したアメリカ歴史協会のアーカイブ・サイトには、その作成過程に学者、ジャーナリスト、国務省、CIAの前身であるOSSなどが関係したと書かれています。詳しくは、次のサイトを参照してください。