2015/06/03

日本はなぜ侵略史観・自虐史観を押し付けられたのか

Japanese War Guilt Information Program (日本のやった戦争は犯罪であるという嘘を日本人の間に浸透させる工作)をネットで検索したら出てくるのは日本人が書いたと思われるものばかりだった(この工作の存在を証明するアメリカの公文書についてはこちらを)。しかし、関連のキーワードへの部分一致で引っかかった文献に面白いものがいくつかあった。

その1つは "GI Roundtable: What Shall Be Done about Japan after Victory?"(米兵円卓会議:勝利の後、日本をどうすべきか) という日本占領に向けて米軍を教育するために書かれたパンフレットである。アメリカ歴史協会がまとめて、終戦前の1945年6月に出版したとある。これはアメリカの日本に対する戦後処理、占領政策の概要とその歴史的背景を軍人にわかりやすく解説したもので、アメリカがどんな作戦と政策を考え、どんな前提と想定とこじつけで、戦場しか知らない軍人たちにそれを納得させようとしていたかが手短にわかる貴重な資料だ。

これを読んだときにすぐに思ったことは、この文書は日本が悪者であるというプロパガンダを世界中に定着させるために使われた「元本」だったのではないかということだった。連合国(アメリカ、中国、ソ連、イギリス連邦、フランス)と反日勢力がこぞって口裏を合わせていることから推察すると、この文書または類似の文書が日本だけでなく世界中に配布されたに違いない。少なくとも、公職追放の対象になった日本のメディア、教育界、行政組織は、類似の文書をガイドラインとして渡されたのではないかと思わせるに十分な内容のものである。これを読めば、彼らがなぜいわゆる自虐史観とか侵略史観で日本人を洗脳する必要があると考えたのかがわかる。それは、自分たちの悪意と悪事を棚に上げるためのハッタリであり、彼らが戦争を仕掛けてきた本当の理由、日本を丸裸にして属国化し、二度と白人様に刃向かえないようにして、徹底して自分たちの都合のよいように利用し、搾取するためであったことが透けて見える。

1931年の満州事変が戦争の始まりであるとするこのパンフレットは、満州をシナから奪ったのはシナ領土の変更を禁止する1922年の9カ国条約に違反するとし、日本が 1937年にシナ事変でシナに軍隊を派遣したのは自衛ではなく侵略だ、従ってパリ平和条約に違反するとして(シナにいる日本人がどれだけ攻撃されていたか、蒋介石が停戦条約を破ったこと、アメリカは既にシナ大陸とその周辺で日本攻撃に加担していたこと、などは一切無視)、日本を侵略者、無法者と決め付けている。しかし最後には、そのような国際条約が締結される前からあった台湾と朝鮮と北方領土、信託統治領だった南洋諸島を日本から取り上げる理由として、「日本は植民地の統治者として完全な失格者だ」(残虐で極悪非道の人種差別主義者)と決め付けて正当化している。さらに、アメリカは1941年8月の大西洋憲章で領土の拡張を求めない、住民の望まない領土の変更も求めないと言っておきながら、そのような手続き無しで日本の統治下にあった地域を、南洋諸島を除いて、ことごとく日本から切り離してシナとロシアにくれてやったのである。日本の信託統治領だった南洋諸島は軍事的に重要だからアメリカが取る、国際連盟で決めたことだが連合国で作った国連で決議して日本から取り上げれば問題ないと言う。そして最後に、領土の剥奪について文句があるならカイロ宣言を受け入れた軍部の責任だと言ってやればいいという文章を読んだときは、読み違いではないかと思って何度か読み返した。北方領土についてはソ連がこの戦争に協力するかどうかで決まると書いてある。

日本の膨張主義と残虐非道なやり方は見過ごせないという道義的な理由を前面にもって来るこの議論は、イラク侵略の本当の理由(中東産油国を支配下に置く)を掲げずに、ありもしない大量殺戮兵器の存在を理由にしたのと同じ手口である。本当の理由を言 えば、一般の米国民がアメリカの実質的な支配者(金融軍産共同体)の利益のために多大の犠牲を支払わされたことが明らかになってしまう。一般の米国民に対しては、白人の優越性、白人帝国による世界の支配が正当であり必然であることを示すだけで十分であった。

日米戦争の背後には、アメリカに日本を潰させ、その混乱に乗じて日本で共産主義革命を起こし、共産主義を標榜する独裁政権に日本を乗っ取らせる計画を立てていたコミンテルンがいたということも明らかになっている。シナ人に対する日本軍の残虐行為に加担するな、世界制覇を目指す侵略国家日本は世界の敵だ、を合い言葉に、日本を経済封鎖で追いつめて挑発したのは、親共のルーズベルト政権だった。しかし、その背後で、アメリカ人の反日ムードを煽るための大掛かりなプロパガンダ・キャンペーンが展開されていた理由を、日本人は正確に把握していなかった。それがコミンテルンの陰謀だったということは、戦前からのソ連の暗号通信を戦後に解読したVENONAプロジェクトで明らかになった。ゾルゲと尾崎を首班とするソ連スパイの一味が日本で逮捕されたが、アメリカでの反日運動にまでは結び付けることができなかった。

このパンフレットには、日本のWar Load(軍閥)によるRape of China(シナのレイプ)という表現が使われている。実際には、シナの軍閥が「無抵抗なシナの老若男女を大量虐殺した」だけでなく、無抵抗な日本人の老若男女を虐殺していた(日本はシナに軍人を派遣していたが、山賊まがいの軍閥を派遣したことはない)。通州事件、盧溝橋事件、上海事件などが有名だが他にも無数にあった(通州事件から学ぶべきことを参照)。アメリカのフランクリン・ルーズベルト政権は、蒋介石および共産党(コミンテルン)と組んで、日本軍をシナでの戦闘に引きずり込むために上海事件に至る一連の日本人虐殺を支援し、日本を連合国との太平洋戦争に引きずり込むために、シナ事変の翌年にはABCD包囲網による経済制裁を開始して、日本を挑発した。アメリカの一般国民はそれに先立って、既に徹底した反日、排日プロパガンダによって洗脳されていたから、日本人に対する侵略史観・自虐史観の押しつけは、アメリカ人に対する反日プロパガンダで捏造された歴史をそのまま日本人に受け入れさせるために行われた洗脳だったともいえる。

日本は正当な手続きで統治権を確立していた領土を、国際条約を無視したアメリカとソ連とシナに武力と詭弁によってごっそり持っていかれたのである。しかも、侵略史観・自虐史観による洗脳によってそのことをすっかり忘れさせられてしまっているのである。もっとも、天皇皇后両陛下のパラオ慰霊訪問は、日本の象徴として歴史を俯瞰している皇室はそのことを決して忘れていないことを示している。

さらに、アメリカは日本がシナ市場を独占しようとしたと糾弾するばかりでなく、シナを被害者に仕立て上げて、シナへの賠償という形でシナを介して日本の富を吸い上げる口実を作っている。シナを手に入れるものは世界最大の植民地を手に入れる と考えて、シナをめぐって Open Door (門戸開放) を提唱してきたアメリカは、ようやく日本を追い出して白人陣営によるシナの独占という夢を実現できるばかりでなく、シナを介して日本の富を吸い上げる口実までできたと舌なめずりしているのである。シナは戦前戦中を通じてそのようなアメリカを手なずけるために被害者プロパガンダを発信し、韓国は戦後新しい支配者となったアメリカの歴史認識に追従して日本の統治下でひどい目にあったと言っている のに過ぎないと理解できる。

賠償はシナだけでなく、日本が資源獲得のために真珠湾攻撃に続いて侵攻した東南アジアについても賠償の義務があるとし、「チャイナ、フィリピン、オランダ 領東インド、ビルマ、およびマラヤでは、何百万人もの一般人が、負傷し、窃盗され、家を追い出され、殺されました。」と、あたかも、日本がすべての地域で 現地人に戦争を仕掛け、虐げ略奪していたかのように書いてある。それは白人やシナ人が植民地統治の中で行ったことであり、その罪を日本になすりつけているに過ぎない。イギリス兵と違って、アメリカ兵が戦ったのは主にフィリピンを始めとする、日本空爆への足場となる島々だ けだったから、ほかの地域で日本軍がひどいことをしたと言われれば、日本人は残忍だと聞かされていたから信じるしかない。しかし、インドネシアのバンドンで開かれたアジア・アフリカ 会議で明らかになったように、シナ共産党と南北朝鮮以外の国々は、日本のおかげで戦後独立できたと、日本に感謝こそすれ、日本にひどい目に合わされたなどと文句を言っていない。

シナも韓国も日本から金をかすめ取ろうとしているときに歴史問題を声高に叫んできたという水間政憲氏の分析が示すように、自虐史観とか侵略史観は日本人に罪の意識を植え付けて弱腰にするために使われてきたのは明らかである。しかし、日本国民の大多数が正しい歴史認識を持てば効力が薄れることは自明である。その効力が薄れないように、世界中に反日意識を植え付けようとしているのが今日のシナの「歴史を直視せよ」キャンペーンである。台湾や南洋諸島の人々が、執拗な反日洗脳教育にさらされたにも関わらず、親日の姿勢を保っているのを見れば(『大東亜戦争とは何だったのか』を参照)、日本人がいかに意気地なしで不勉強か、シナ人や朝鮮人そして反日欧米人が、またいわゆる反日日本人がいかに邪悪な反日工作の一環を構成しているかがわかる。


表紙を見ただけでも腹が立つ。日本を「丸裸にする」意図が象徴的に表現されているだけでなく、日本人が未開で野蛮という認識をアメリカ兵に植え付けようとしているのが明らかである。

読めば読むほど腹が立ってくるが、とりあえず目次と、各章の要約を書いておく。詳しい翻訳は英語の原文と共にpdfファイルで用意したので、ダウンロードしてご一読いただきたい。

侵略史観・自虐史観の嘘と欺瞞とその背景にある邪悪な意図の解明は、既に多くの方々が長年に渡って行ってきた。インターネットで検索すれば、すぐにわかる。しかし、それらを、このパンフレットの虚偽と歪曲を整理し、論破する作業と、それを英語で発信する作業も既に始まっている(例: 【Questioning Japanese History】 "The Truth About Japan in WWII" by Mad MonarchistThe “Nanking Massacre” was a historical event fabricated by the US and China)。
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GI Roundtable: What Shall Be Done about Japan after Victory?米兵円卓会議:勝利の後、日本をどうすべきか)    

    Why did Japan choose war? 日本はなぜ戦争を選んだのか(侵略戦争は日本のビジネスだった)
    Did Japan have to go to war for economic reasons? 日本は経済的な理由で戦争したのか(満州を取ったじゃないか。日本は欲張りだっただけ)
    Could the United States have avoided a showdown? アメリカは衝突を避けることができたか(日本のご機嫌を伺ってシナが奴隷化されるのを見過ごすことはできない)-戦争の真の原因はシナ/共産党であり、アメリカはシナにそそのかされていたことがこのパンフレットの説明からも透けて見える(フーバー大統領の Freedom Betrayed (裏切られた自由)を読んでを参照)
    What should we do when Japan has been defeated? 日本を負かしたら何をすべきか(以下の達成を目指す。1.日本が二度と戦争できないようにしてやる。2.奪った領土はすべて剥奪する。3.連合国の国民に対して行われた無法行為や人道に反する行為の責任者を裁く。4.日本の経済は世界の害にならないよう、東アジアの人民の役に立つようにする。5.日本人には近隣諸国を脅かすことのないように自らを統治することを学ばせる)
    How can we keep the Japanese from future aggression? 日本が将来攻撃してこないようにするには(戦争ができない状態にする。戦争をしたがらないようにする。日本人はすべての苦しみをアメリカのせいだと考え強烈な報復心をもつだろうから、完全武装解除と占領。以前は戦火を免れてきたがこの戦争では本土に戦火を持ち込み、思い知らせてやる。軍からは武力だけでなく威信も剥ぎ取る。カイロ宣言の無条件降伏を受け入れた軍部が悪いってことにするか。徴兵制度を廃止させて武力を持てないようにするか。武器をすべて取り上げて破壊するか。日本を侵略占領せずにこの目的を達成できるか。必要な占領期間は? 天皇はどうするか。)
    Should Japan pay damages? 日本は賠償すべきか(再建に必要な労働力を出させる。満州や日本にある機械類
日本が盗んだものだから賠償に含める。)
    Can Japan pay damages? 日本は賠償能力があるか(
道義的にはシナに賠償する義務があるが、厳しい賠償要求は恨みを買うし、世界経済にも悪影響を与えかねないのでほどほどに。金や通貨では世界の金融市場に悪影響を及ぼしかねないので、物で払わせる。シナは英米で凍結されている日本の資産をよこせと言っている
    Can we find a punishment that fits the crimes? 日本の犯罪に見合った罰を見つけることができるか(国民全員が戦犯だが、敗戦と侵略が彼らへの罰。戦争に関する国際法に違反した連中、
特に無抵抗なシナの老若男女を大量虐殺した連中を洗い出して裁く。ナチに適用した方法を日本にも適用して、現地に送って裁かせる。極悪人に対しても報復のリンチはよくない。連合軍のコミッションに調査と裁判と刑の執行を任せる。それにもナチに適用した方法を使う。)
    Shall we destroy Japanese trade and industry? 日本の商工業を破壊すべきか(アジアと世界のためを考える。報復心にとらわれてはいけない。日本に経済再建を許すか。第一次大戦後のドイツの二の舞にならないようにするには?、重工業の規制?、でもシナの再建には日本の工業製品が必要。)
    What sort of government for postwar Japan? 敗戦後の日本にはどんな政府を持たせるか(現在の日本政府は倒す。自由、平和、民主主義の政府ならアメリカ人も安心できる。戦前に芽生えていた民主主義を再生させるか。天皇はどうする。天皇は占領後の法と秩序の維持に役立つかも。天皇には開戦を承諾した責任があるか。特権階級ではなく労働者と農民のための政府ができるようにするには?日本の政治と教育の改革。軍国主義政権に弾圧されていた反戦主義者=善良な日本人を登用する。ハワイの日系人を使うか。改革を強要したらどうなるか。協力者が裏切り者とみなされたら?占領から解放されたら元の木阿弥になるか。日本を完全に破壊して占領し降伏させてしまえばどうにでもなる。民主主義は押し付ければ機能すると言うものではないので軍事力で対処する。)

    Can Japan get in step with a peaceable world? 日本は平和な世界に歩調を合わせることができるか(日本人が非日本人に対して持っている人種差別と偏狭な敵愾心を拭い去ることができるか。日本は植民地の統治者として完全な失格者だ。朝鮮、満州、中国で日本人は人々をこき使い恐れられ嫌われていた。捕虜や囚人の取り扱いで、その残忍性と人を欺く性向を証明したではないか。平和と順法の精神を証明するまで仲間に入れてやらない。)
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各種国際条約の文言を見ると「aggression=攻撃=侵略」は違反だが自衛のための戦争はいいということになっている。したがって、「aggression」が成立しなければ、日本領土の没収も賠償も成立しない。つまり、日本に対する侵略者、国際条約を守らない無法者、さらには残虐非道の狼藉者というレッテル貼りが成功しなければ、腹いせにリンチに等しい裁判で日本の軍人と政治家を殺害し、日本が明治維新以降新しく統治権を確立したすべての領土を味噌も糞も一緒にして日本から奪い取り、シナ人や朝鮮人に被害者面をさせて、日本の富を賠償という形で吸い上げることを正当化することができない。

このパンフレットはアメリカ人に対する洗脳でもあったと見るべきである。米兵は少数の例外を除いてシナも朝鮮も見ていないし、戦場以外で日本人を見ていないから、日本人がシナ人や朝鮮人を虐待虐殺したといわれれば鵜呑みにするしかない。戦場における勇猛果敢な日本兵のイメージが残虐のイメージと重なるのであろう。マッカーサーは、日本の占領政策を『日本をどうすべきか』の認識に沿って忠実に実行したように見える。しかし、朝鮮戦争で痛い目にあって目が覚めたのか、最後には日本が取った軍事行動はセキュリティ、つまり自衛のためだったと米国議会で証言することになるのである。そのときこそ『日本をどうすべきか』の認識を破壊して一掃するチャンスだったのに、残念なことである。

戦後の成り行きを振り返ると、アメリカはシナ共産党に適当に利用されたに過ぎないことがわかる。ニクソンはシナとの国交を再開すれば、戦後すぐに実現できなかったことを、とうとう実現できると思ったに違いないが、またしてもシナに適当に利用されるだけで終わっている。最近のシナの暴虐と膨張に対してアメリカは飼い犬に手をかまれたぐらいにしか思っていないのかもしれないが、結局はアメリカが『日本をどうすべきか』の歴史認識を改めない限り、シナの増長を止めることはできず、世界の平和も秩序の維持もありえないのだと思う。それは日本がどのように世界の言論をリードするかにかかっている。アメリカがシナの膨張に警戒心を高めている今が第二のチャンスである。

ハル長官は最後通牒となったハル・ノート に対する日本側の最後通牒を読んで「In all my fifty years of public service I have never seen a document that was more crowded with infamous falsehoods and distortions.50年間の公務の中でこんな恥知らずの嘘 と歪曲をこんなにごたごた並べた文書は見たことがない)」と言ったと書いてあるが、『日本をどうすべきか』を読むと同じ言葉を返したくなる。第一、侵略戦争も強欲も人種差別と偏狭な敵愾心も他民族の奴隷化もすべてアメリカを始めとする連合国がやってきたことであり、自分たちが犯してきた罪をそのまま日本に擦り付ける想像力の貧困さには憤りを超えて笑ってしまうが、それは、心理学では投影と呼ばれる自己正当化のメカニズムであり、プロパガンダで頻用されるトリックである。自分の邪悪な衝動を敵に投影して、その邪悪な衝動を敵に対して発動することを正当化する(敵が邪悪だから自分も邪悪な対応をせざるを得なかったという言い訳)、自分たちの悪事を相対化して不問に伏すための常套手段である。日本人はそんなことも見抜けず、はったりをかまされて、腰がくだけたままだ。中には、日本は未来永劫、属国として生きるしかないとあきらめたのか、率先して反日工作に加担し、恥じることがない日本人もかなりいるようだ。

【伊藤貫の真剣な雑談】第4回「アメリカ人も呆れた、属国主義で核武装議論から逃げてきた日本の保守政治家達」[桜R4/2/5] を見ると歴代の日本の政治家の属国根性は一般の国民の想像をはるかに超えるもので、アメリカの政治家をもあきれさせるものであったようだ。

このパンフレットを書いた のはアメリカ歴史協会であるが、その後継者たちは、今でもここに書かれている歴史認識に従って歴史の教科書を書いている。そして慰安婦の強制連行に関する事実無根の記述を削除するように日本政府が抗議したら、言論と出版の自由の侵害だと騒ぎ立て修正を拒んでいる。彼らが抗議文として発表した Standing with Historians of Japan を読んでも OPEN LETTER IN SUPPORT OF HISTORIANS IN JAPAN を読んでも、彼らが未だに踏襲しているでたらめな歴史認識を使って、戦後日本の言論と出版の自由を完全に否定し、偏向教育を押し付けた Japanese War Guilt Information Program については反省どころか意識さえしていないのがわかる。しかし、最近ではアメリカにおける風向きがすこし変わってきているようで、竹田恒泰さんの『韓国が反論できない!「慰安婦は性奴隷ではない」ラムザイヤー教授の論文』によると、ハーバード大学のラムザイヤー教授が学術誌上で慰安婦がどのような契約と前払い制度で働くことができたか、そして、彼女らは決して性奴隷と呼ぶことができるような存在ではなかったことを実証している。



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アメリカの歴史家 Michael Schaller が書いた本も面白そうだ。
Altered States: the United States and Japan since the Occupation, (Oxford University Press, 1997).
    市川洋一訳『「日米関係」とは何だったのか――占領期から冷戦終結後まで』(草思社, 2004年)

これは、占領3年目の1947年にアメリカが共産主義の脅威に気が付いてから、占領下の日本(ドイツも)の扱いをどう変えたか、日本はそれをどう利用したかをアメリカの視点から書いたもののようである(サンプルで読めるプロローグと第一章から判断すると)。ebookで40ドルとあるので、どうしようか迷っている。ちなみに、上記の伊藤貫さんの話は、この本に引用されているアメリカ政府関連の資料を基にしているとのことだ。